「本日はご来場いただきましてありがとうございます。今回のリサイタルはここ谷中にて開くこととなりました。
震災や戦火を免れたことにより昔ながらの街並みが今なお残っており、また江戸時代から続く寺町ですので、
街のいたるところに寺院があり、落ち着いたたたずまいを見せています。
こうした谷中の風景に思いを巡らせながら今回のプログラムを考えていたところ、真っ先に思い浮かんだのが
ラヴェルの「クープランの墓」でした。この作品には古き良き時代に活躍した大作曲家クープランへのオマージュと、
第一次世界大戦で先立った友人たちへの追悼の意が込められています。
そして他の曲目であるハイドン、ベートーヴェン、リストの作品は、 ラヴェルの作品と同じ調、すなわち、ホ長調、
またはホ短調というつながりから関連付けて構成してみました。
遠い昔を偲ばせるような、懐かしさを胸に抱かせるような、そんな調べを皆様に感じ取っていただけますよう
演奏したいと思っています。 鷺谷 宰 」 西日暮里、よみせ通りの入り口にある音響のすばらしいホールにて、 とても充実した演奏会を行うことができました。 当日ご来場いただいた皆様、お寒い中、本当にありがとうございました。
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